消化液の有効利用

 

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消化液の有効利用

消化液(発酵残渣)とは、有機物の嫌気性発酵から生じる均質で安定した生成物です。
肥料成分のミネラリゼーションにより、消化液は良質な肥料となります。

通常の肥料散布と比較して、消化液散布は微生物の活動や土壌呼吸も活性化します。有機物はメタンバクテリアによって完全に分解されるわけではなく、土壌の菌類にも養分をもたらします。

有機物を37°Cで数日間発酵させ、一部の細菌および種子類を不活性化させることで、バイオガスの生成を阻害する要因を解消します。

嫌気性発酵によって悪臭分子に変質が生じるため、発酵槽・脱発酵槽での発酵ののち消化液を散布する際、通常の肥料と比較して悪臭を大幅に抑えることができます。

消化液の後処理

スクリュープレスないしは遠心分離機を用いることで、消化液を脱水濾液と脱水固形物に分離することができます。

  • 湿式プロセスによって生じる脱水濾液は化学肥料に相当する効果がありますが、通常の液肥に比べると脱水濾液の方が窒素に富み、植物に対する有効性が高いと言えます。
  • 脱水固形物は、土壌に必要な基礎的栄養分を含んでいます